2024年も残すところわずかとなりました。今年も「夜のパン屋さん」でのお買い物や、さまざまな形での応援をいただき、心から感謝申し上げます。
2020年10月にスタートした「夜のパン屋さん」の取り組みは、今年1月より認定NPO法人ビッグイシュー基金を運営主体として、日々の活動を進めてまいりました。この一年で、46,635個もの、食品ロスになってしまったかもしれないパンを「夜のパン屋さん」を通じて、誰かにお届けすることができました。
環境省の発表によると、日本の食品ロスの発生量は2022年度で、約472万トンと推計されています。この数字で見て、食べれるものも含まれていたのだろうと考えると、その膨大な量に自身の食事はどうだったか、振り返ってしまいます。誰も、捨てるために作物を育てたり、美味しいものを作ろうと努力したりしていないはずです。
「夜のパン屋さん」の取り組みは規模としてはとても小さなものではありますが、パンとして生まれたいのちを少しでも多くの”誰か”のもとに届けられるよう、街のパン屋さん、そしてお買い物や応援をしてくださる皆さまと共に、歩みをすすめていきたいと思います。
ご協力いただいた参加パン屋の皆さまには、心から感謝申し上げます。お店の大切な味を、他者に託すことは、簡単にできることではないと思います。また、「捨てることが前提のシステム」で成り立っている今の社会において、わざわざ手間をかけて食品ロス削減に取り組む必要はないのかもしれません。
しかし、そんな中で「夜のパン屋さん」の活動を理解してくださり、ともにフードロス削減や貧困問題に向き合うきっかけをつくっていただけたことに、深く感謝をするとともに、「支援をするーされる」という関係を越え、共に地球の未来を考えていくパートナーシップを築けたことを嬉しく思います。日々パンのピックアップをさせていただきながら、売れ行きや取り組みなどのお話を伺う時間は、私たち「夜パン」スタッフの楽しみのひとつでした。
また、今年は新たに三軒茶屋に4店舗目の「夜のパン屋さん」を開店することができ、年間でのべ16人の雇用を創ることができました。
「夜のパン屋さん」は、深刻なフードロスに向き合う気軽な窓口であると同時に、人びとが緩やかに支え合う場であり、すぐに仕事が必要な方の助けとなる場を目指しています。そして、そこはさまざまなお店の美味しいパンが並ぶセレクトショップとしての役割もあるーー意図せずとも多様な人びとが混ざり合える場所です。これからも、楽しくお店をあけていきたいと思います。
なお、年末年始のお休みをいただき、次回の営業は1月8日(水)からとなります。
2025年もどうぞよろしくお願い申し上げます。